前回は「セルフブランディング」のひとつの方法として、営業服の選び方についてご紹介しました。今回は、お客様に「覚えてもらう」ための「セルフブランディング」のもうひとつの方法、挨拶についてご紹介したいと思います。
新人のうちは服装と挨拶でお客様に覚えていただき、将来指名していただくための準備期間と考えましょう。
美容業界にかかわらず、経営者が新入社員の方々に求めることは「挨拶の徹底」ではないでしょうか。特に美容業界においては、挨拶は将来の顧客作りにつながる重要事項です。しかし、「挨拶を徹底しろ!」と言ったまま任せてしまうのでは新人スタッフの方々も不安に感じてしまうでしょう。
ここでまず、経営者とスタッフ側の目線の違いを整理してみましょう。
スタッフの方も全てのお客様に挨拶をしたほうがいいと思っていても、どのように行動したらいいのか分からなくて困っているようです。経営者側も、クレームがあったときにすぐに名前が分かればお店全体でお客様との関係が築けるので、どのお客様にも挨拶でアピールしてほしいと思っています。
それでは分かりやすくするために、挨拶を習慣づける仕組みを作ってしまいましょう。
「挨拶」=指名数アップのためにできる最も簡単な方法であると心得ましょう。挨拶を習慣づけるための仕組みを作ることは、目標を管理することです。
以下の要領で挨拶する目標人数を設定、管理し、毎月報告させるようにしましょう。目標が達成できたときにはそれが成功体験としてモチベーションのアップにつながります。
数字で管理することに慣れていけば、今後デビューしたときにも売上金額の管理など、数字にこだわって行動するようになるでしょう。
挨拶徹底のための目標管理
月次目標を決めることで売上金額や指名数など、数字への意識が高くなります。
日々の積み重ねで目標達成を実感することができます。
目標の進捗管理ができ、成功体験を見える化できます。
どうして挨拶がそれほど重要なことなのかがお分かりいただけたでしょうか。
スタッフの方々の中には、「元気な挨拶」を目標としていても、引っ込み思案で苦手だ、という方も一定数いらっしゃるでしょう。ここで間違えてはいけないことは、性格を変えてまで明るく元気に挨拶することを求めているのではないということです。
求めているのは、「明るく元気に見える表現力」。とびきりの笑顔を練習し、リアクション力を身につけましょう。挨拶と笑顔の接客の継続が、将来の指名数アップにつながるのです。
参考書籍:美容室の現場力 藤原 花妃 著