美容室の売上は、技術売上と店販売上の2つにわかれることは、みなさんご存知のとおりです。そのため、利益を増やすためには店販売上を上げることが必要にみえます。しかし、利益を上げるための店販は失敗してしまうことも出てきます。店販をするにあたって、売上を上げることよりも大事なこととは、一体何なのでしょうか?
売上を上げるためには、店販売上を上げることは必要です。
そこで質問ですが、
あなたにとっての店販の目的は何ですか?
お客様が増えてきたから、売上を上げるために店販に力を入れようと単純に考えていると、売上が上がるどころか在庫を抱え経費を圧迫してしまう元になってしまいます。
どんな仕事もそうですが、「どうしてやるのか?」という目的が重要なのです。目的を明確化することで、効果も上がってきます。
目的を設定するときは、以下の4つの項目を設定してください。
4つの項目で目的を設定してみると、「なぜ店販を行うのか?」が明確になります。また、目的が明確になれば、お店全体で意識統一もしやすいでしょう。
お店全体で意識統一ができれば、スタッフの方が「安くしますよ」といった無理な販売をする必要もありません。
無理な販売をする必要がないこともですが、店販には大きなメリットが2つあります。
1つ目は、スタッフ育成です。
店販の目的が明確化することで、スタッフの方が「お客様が必要としていることは何か?」を考えられるようになります。
お客様が必要としていることを考えられるようになることで、スタッフの方がお客様の悩みに沿ったメニューの提案や商材の提案ができるようになります。
2つ目はお客様との絆です。
お客様の悩みに寄り添ったスタッフの方からのメニューや商材の提案により、お客様はスタッフの方を信頼できるようになります。
お客様との信頼を築けることで、将来的に生涯顧客となっていただける可能性が高くなるのです。
技術も店販も、売上を上げることに注目するのはとても大事です。
しかし、売上を上げることばかりに注目してしまうことで大事なことを見失い、結果的に売上が上がらないということにもつながりかねません。
店販は、お客様との絆を築くために必要なことや、スタッフ育成に必要なことは何かを学べる機会だと捉えて取り組んでみてください。
参考書籍:NO LIMIT(鈴木淳也、大河内隆広、西川礼一)『サロン成長戦略会議』株式会社髪書房,2017年