美容室経営に乗り出すときになくてはならない「コンセプト」。
あなたのお店の「コンセプト」は何ですか?
コンセプトがしっかりしている店には、お客様が自然に集まってきます。
また、あなたのお店をどのように経営していくかは、お店をどの位置にポジショニングするかによって変わってきます。
今回は、コンセプトづくりをどのように考えるのか、また美容室としてのポジショニングを設定するヒントをお伝えしていきたいと思います。
一貫した方針を貫いているお店と方針が二転三転するお店。
あなたならどちらのお店にもう一度行きたいと思いますか?
コンセプトがはっきりとしているお店、例えば一流ホテルや一流料理店に共通していることは一体なんでしょうか?
面白いことに、それは「五感に響く」感覚なのです。
それでは「五感に響く」とは、どういうことなのでしょうか?
星がつくような一流の料理店は「いいお店」だと誰もが判断します。
しかし、私たちはどのようにいいお店だと判断しているのでしょうか?
「星」がついているという事実も判断基準のひとつになり得ますが、それよりも、入った瞬間の雰囲気、スタッフの対応、照明の明るさ、器のセレクト、これらが判断にかなりの影響を与えているはずです。
視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚の五感を総動員して、「このお店はいい」という価値がつくられているのです。
いいお店=五感に響くお店。
あなたが目指していくのは、五感に響くお店だと心得ましょう。
コンセプトを設定するにあたっては、お客様をどのようにしてさしあげたいか、まず美容師としての根本的な理想は何かを追求しましょう。
「きれいなヘアスタイルをつくる」「髪の悩みを解決して帰っていただく」「家に帰ってからもスタイリングしやすいように」「ライフスタイルまでも提案」など、その想いは様々でしょう。
美容師としての根本的な理想をコンセプトの軸ととらえ、それなら何ができるのか、そこからどんな未来が広がっていくのかを考えていけば、自然とどんなお店にしたいのかが見えてくるのではないでしょうか。
すべての判断はコンセプトを軸に考えれば明確になってくるはずです。
コンセプトと同じくらい重要だとされているもうひとつの要素は、「ポジショニング」です。
「何をする場所なのか」「誰を対象としているのか」これらを明確にするためにも、会社のポジショニングは重要なのです。
それではどのように考えればいいのか、フィリップ・コトラーの競争地位戦略分析を参考に見ていきましょう。
ここでは企業を4種類に分類しています。
あなたのお店をどこに位置付けたらいいのかの参考にしてみてください。
あなたのお店はどのポジションに位置していますか?
他社との差別化を図るのに一番適したポジションで経営を考えてみてください。
コンセプトとポジショニングの設定で、他社にはないあなたのお店だけのブランディングができたでしょうか?
きっと大手チェーン店のように年齢を問わず多くのお客様に来ていただかなくても、ターゲットにしたいお客様にリピートしていただけるお店づくりができることでしょう。
あなたのお店は世界にひとつだけの唯一無二の存在。
差別化を図って、リピート、紹介していただけるお店づくりをしていきましょう。
参考書籍:1年先まで予約が入る奇跡のサロン 石井 孝治 著